徴兵制のダブルスタンダード
マーガレット・サッチャー(イギリス首相:1979-90)が何百人もの男性をーただし女性は一人もいないがーフォークランド戦争で戦士させることを意味する防衛力強化思想を唱えたとき、彼女は今度の選挙で確実に負けるであろうという予想があっという間に確実に勝つという予測に変わったほど、両性から選挙で人気の波を受けた。
どの新聞や雑誌の見出しも「男性を殺すことで権力を維持している女」と描かなかった。
または「サッチャーは、彼女のジェンダーを戦闘から逃げることのいい訳に使う一方、防衛強化の信念を唱える偽善者だ」と。
サッチャーが男性を彼女のために殺したとき、彼女は意気地なしとは呼ばれず、強い女と呼ばれた。彼女は国家のために従事するのに適格ではないどころか、よりふさわしかった。

ワレン・ファレル「男性権力の神話」第5章 戦争の英雄、それとも戦争の奴隷? ー 軍人という名の売春婦

戦争は最大の男性差別である。
これがマスキュリズムの重要なテーゼだ。

有史以来、戦場で死ぬのは男性の性役割だった。
女性は家庭を守るのが性役割だった。

だが、わが日本国憲法には戦争の放棄の条文がある。

第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

したがって、第二次世界大戦後、日本国が宣戦布告して他国と戦争をおこなったことはない。
歴史の偶然か必然かわからないが日本人男性の生命は憲法9条で守られてきたということだ。

自民党の高市早苗議員が、2025年10月21日午後1時47分、首班指名選挙により第104代内閣総理大臣に選出された。女性議員の内閣総理大臣選出は日本の憲政史上初めてのことである。

自民党と日本維新の会の連立政権の合意文書には憲法9条の改憲の項がある。

▽日本維新の会の提言「21世紀の国防構想と憲法改正」を踏まえ、憲法9条改正に関する両党の条文起草協議会を設置する。設置時期は、25年臨時国会中とする。

▽緊急事態条項(国会機能維持および緊急政令)について憲法改正を実現すべく、25年臨時国会中に両党の条文起草協議会を設置し、26年度中に条文案の国会提出を目指す。

▽可及的速やかに、衆参両院の憲法審査会に条文起草委員会を常設する。

▽憲法改正の発議のために整備が必要な制度(例=国民投票広報協議会の組織および所掌事務などにかかる組織法ならびにCM規制およびネット規制などにかかる作用法など)について制度設計を行う。

高市早苗首相の愛読書には「サッチャー回顧録」があるという。

非常に危険な政権が発足してしまったと思う。
日本人の男性の生命が危機にさらされることとなった。

しかし、護憲左派は「戦争が最大の男性差別」とはきづいていないようだ。
護憲左派政党(日本共産党・社民党・れいわ新選組)らはフェミニズム(女性主義)の影響をうけてか、戦争の最大の被害者である男性のことを気にかけているようには残念ながら見えない。

フェミニズム(女性主義)の罪は重い。
フェミニズムは「なんとなく」戦争は男性が男性のために起こしてきたというドクサを流布してきた。

そうではなく、有史以来、戦争の最前線に送られ、その貴重な生命を奪われてきた被害者は男性なのである。

百歩譲って、第二次世界大戦当時は女性は参政権はなかったので男性が戦争を決めたというフェミニズムの主張はわからないでもない。(しかし、市川房江をはじめ日本フェミニストの戦争協力は有名である)

しかし、2025年には日本女性には参政権はある。
戦争、そして憲法9条を改正して日本を戦争のできる国にすることを阻止する責任は日本女性にも責任がある。

2025年現在、自衛隊の男女構成比はほぼ10:1であり女性自衛官は8.9%(約2万人)にすぎない。
90%の自衛官は男性なのである。

女性=平和主義という嘘からめざめなけばならない。
日本女性は「男は女を守って死ね」という性差別主義から決別する必要がある。(もちろん男性もだが)

アンチフェミニストの男性も注意してほしい。
なんとなく政治的に左派=フェミニストという偏見があり、左派はクソだと考える男性が多いが「奢る奢られ論争」をみても日本女性は保守的であり、「男性の生命を奢れ(戦争に行って日本女性を守れ)」と言い出しかねないのである。

「男性解放の会」はマスキュリズムにのっとり断固として日本男性の生命を守ることを決意する。
サッチャーのフォークランド紛争の愚を台湾有事等で繰り替えさせるわけにはいかないのである。

原則は以上だが日本を取り巻く軍事大国は複数あり、日本に敵対する国もある。
アメリカ、ロシア、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国である。
この4国は核兵器も所有している。

では、ただ単に憲法9条護持でいいのか?という疑問が沸くひともいるだとう。
もちろん、それでは足りない。

世界各国に「戦争は最大の男性差別」ということを粘り強く説得しなければならない。
それまでは軍隊ならぬ実力組織(自衛隊)で凌げばよい。

「男性解放の会」は他の諸団体と協力して国連男性差別撤廃条約の成立をめざす。
永遠平和がおとずれるかは女性の加害性があるので不透明だが戦争で男性の生命を強制的に犠牲に晒すことはすくなくなるだろう。